12月24日 第5回   喫煙について・その2
 先日、来年度の税制について色々と決定された。納税対象の所得(黒字)をグループ企業の赤字分で相殺し、法人税を減額できる連結納税制度が紆余
曲折を経て導入されることが決まったりしたが、小泉内閣の公約である国債発行高30兆円以下の影響か、小幅な税制改正となった。そんな中、2年続け
て騒がれた発泡酒増税や、煙草税の増税も持ち上がったが、結局どちらも反対が強く、見送られることとなった。そこで、今回は第1回にも取り上げた喫煙
についてもう一度考えてみることにした。
 日本人の喫煙率は、現在のところ他の先進国と比較しても、かなり高い割合を保っている。特に、最近は女性の喫煙率も結構高いらしく、実際に最近は
男性の歩行喫煙者のみならず、若い女性の歩行喫煙者を見かけることも多くなったので、女性の喫煙率が高く、そして喫煙率は下がっていないということ
は明らかであろう。
 喫煙の健康に対する影響は、以前にも書いたが、肺癌・咽頭癌などの癌や、呼吸疾患、心臓病などを引き起こす原因となることはよく知られている。しか
し、喫煙はそれらの病気を引き起こすのみにとどまらず、胎児の成長を妨げてしまうなど、影響は本当に数多く存在する。さらに、喫煙はよく「ストレス解消」
の為だと喫煙者は理由として言ったりするが、実際にはあまりストレスの抑制効果はなく、むしろ禁煙をした方が結果的には安定できるという話もある。こ
れらの事から考えると、喫煙はまさに「百害あって一利無し」「ハイリスク・ノーリターン」といった感じである。
 日本における喫煙対策は、やはり進んでいない。煙草の自販機もあちこちに林立しているし、非喫煙者の「環境権」や「清潔な空気を確保する権利」など
を守ろうと迷惑な喫煙を規制する法の制定に向けた国の動きは全くない。そもそも、国側ではそういった法の提案の動きすら、全く見かけられない。ある地
方では、未成年者が自販機で煙草を買うことが出来ないよう、IDカードのような物を希望者(成人)に配布し、そのカードを使用しないと煙草が買えないよう
にするなどの対策を打ち出したりしている。本当は、自販機自体をなくすことが一番なのだが、どうしても自販機が撤去できないと言うのならば、全国的に
このような自販機対策は絶対に必要であると思う。無論、このような対策を行うに当たっては不正な販売を防ぐのも重要である。そして、今回の煙草税の
増税見送りは非常に残念なことであった。せめて、喫煙対策の費用として使う「目的税」としてでも、一本当たり5円〜10円程度の増税をして欲しかったと
思う。これは、喫煙対策以外にも言えることだが、問題を次々と先送りし続けると、後に大問題となって降りかかってくる恐れがある。現に、狂牛病問題な
どは国の対策の遅れが大きな原因であり、もっと迅速な対応をしていれば、被害は減少できたに違いない。だから、国は喫煙問題にも、もっと真剣に対策
を行うべきであって、後に肺癌などの患者が増加してしまってから対策を行っても遅いのである。現在も、国は牛肉に対する「安全宣言」を出しても、かつて
の様々な対策の遅れなどによって、国民からはあまり信頼されていない。これで、また何かに対する対策の遅れが浮上したら、国民の国に対する信頼は
ほぼ崩壊してしまうであろう。それを防ぐためにも、喫煙をはじめとした問題に、国の迅速な対策を望みたい。



11月10日 第4回   週休二日制で教育はどうなるのか
 来年度から、いよいよ公立の小・中学校と高等学校で完全週休2日制が開始される。今までは、第2・第4土曜日が休みという隔週の週休2日であっ
たが、これからは多くの会社などと同様に、毎週土日が休みということになる。しかし、土曜日の授業が消える分、総授業時間も当然ながら減少する。
現在でも、授業時間の確保の為、学期始めと学期末の短縮授業期間を縮小もしくは無しにしたり、1時限当たりの授業時間を長くするなどの対策が見
られるのだから、週休2日制の開始後は減った授業時間の転嫁のため、さらに一日当たりの負担が大きくなってしまうことが考えられる。
 そこで、完全週休2日制の導入による授業時間の削減を受けて、「ゆとり」をもたせるという目的の新しい学習指導要綱が制定されたわけだが、この
内容については、「学力低下」を心配する声があがるなど様々な議論が展開されてきた。特に有名だったりするのが、算数・数学における今まで
「3.14」とされてきた円周率の近似値が、「3」に変わることなどである。今まで3.14で筆算をしなければ少し計算しづらかった円の問題が、今度から
は暗算でも比較的容易に計算できるようになるが、何もそこまで削る必要はないだろう、と私は思う。『そもそも、今までわざわざ3.14で計算してきた
のは一体何だったんだ?』と思ってしまう人もいるかもしれない。教科書でも、新学習指導要綱を徹底させるため、検定の際に理科の教科書の図の背
景にまで「要項の範囲を超えている」と、注文をつけるという事があったが、これには驚かされた。いくら教科書がカラー化されて見た目が鮮やかになっ
たといえども、図の背景までが要項の範囲外だという理由でなくなってしまったら、寂しい限りである。さすがに文部科学省も、学力低下を懸念する世論
等を受けて、指導要綱の位置づけを最低限の基準に変更して発展的学習を取り入れることを容認したが、実際に取り入れている教科書は少ないらしい。
 小中学校、高等学校に限らず、大学の方でも「学力低下」が囁かれて久しい。そのため、最近は受験生を集めようと学力試験の科目を削る大学に対し、
センター試験を5教科7科目課すなど科目削減をしない大学も見られるようになった。学力低下に歯止めをかけようと受験科目を減らさないようにした大学
と「ゆとり」教育で授業内容が3割削減された小中高校――新課程でどうなるのか結果は実行してみなければ分からない。だが、学校の地位が低下して
益々塾頼みの傾向が強まり、「ゆとり」をもたせるつもりだったのが、かえってゆとりがなくなってしまうなどという皮肉な結果だけにはなって欲しくないの
で、学校側は内容に充実した授業が行えるよう、頑張って欲しいと思う。


教育の話題に関しては、「未塾児通信(教育)」も是非、ご覧下さい。



6月7日 第3回   電車内のマナーについて
 電車に乗っていると、車内で携帯電話を使用している人を必ずと言っていいほど見かける。以前は、携帯電話を使用する人と言えば、突然大声で話し
始めるような人がいたが、最近は携帯電話で電子メールなどをする人が多くなったので、大声で話す人を見かける事は以前と比べると減少した。しかし、
車内で大声で話す人が減少したからといって、問題が解決したわけではない。問題は、携帯電話から発する電磁波なのである。この電磁波は、テレビや
新聞などで取り上げられているように、ペースメーカーなどの医療機器の動作に影響を与える。特に混雑した車内の場合だと、影響を及ぼす恐れはより
高まる。携帯対策として、車内では「携帯電話のご使用は周りのお客様にご迷惑となりますのでご遠慮下さい」という放送をよく耳にする。しかし、この
放送で携帯電話の電源を切るなどした人はあまり見たことがない。その他にも、東京急行電鉄が車両の番号によって携帯電話の使用を分ける「携帯分
離作戦」を行っている。だが、この作戦もある程度の評価は受けたが、効果はあまりあがっていない。現在も、「電源をお切り下さい」の車両で平然と携
帯電話を使用している人は沢山いる。やはり、2〜3人のうち1人が携帯電話を持つ現在、車内での効果的な携帯電話使用禁止対策は難しいものであ
る。だから、携帯電話の使用者自身の心がけが重要となってくるのである。「別にメールくらいなら迷惑かけないから大丈夫」という考えは今すぐ改め、車
内では電源を切る事を心がけて欲しいと思う。
 電車の中では、携帯電話の使用以外にも様々なマナーの問題がある。座席の座り方や、背中の荷物などがその代表例である。
 座席の座り方に関しては、自分の座った場所の隣に荷物を置いて座席一つ分を塞いでしまったり、やや混雑しているのにも関わらず、座席を詰めない
などといった行為が問題となっている。そして背中の荷物は、非常に混雑した車内の場合、他の人が通りづらかったり、場所を詰めることができなくなるな
ど、やはり周りに迷惑がかかる。私も、以前は朝の非常に混雑した車内で荷物を背負ったままであったが、不快に思う事が結構あったため、今は混雑し
た車内では荷物をおろすように心がけている。
 電車は多くの人々が利用する乗り物である。だから、自分の事ばかりを考えた勝手な振る舞いばかりでは非常に困るのである。不愉快な思いをする人
が出ないよう、電車を利用する人一人一人がマナーを心がける事が大切なのだと思う。



5月21日 第2回   マイラインについて
 先週の17日、NTT東日本が「マイライン」の営業方法が不適切だったということで、総務省から行政指導を受けた。NTT東日本は、マイラインの登録
申込書にグループ会社であるNTTコミュニケーションズの名前を予め、長距離通話の区分の欄に記入して顧客に送っていたのである。
 マイラインは、NTT以外の電話会社を利用するのに必要であった識別番号が、電話会社間の競争の妨げになるということで、その識別番号をわざわざ
ダイヤルする必要をなくし、競争に関する不平等をなくす目的で導入された。このマイラインの登録は、現在はまだ無料だが、11月からは登録料として
800円が掛かるため、電話会社側は一度マイライン登録をした顧客はあまり登録会社の変更をしないだろうと考え、顧客の確保の為に値下げ合戦や
様々な割引サービスの導入、そして宣伝などを行っている。やはり、顧客の確保は非常に重要であるから、各電話会社が必死になるのは当然である。
 各電話会社間の競争によって電話料金が値下がりし、利用者にとってはありがたいものであるが、しかしその激しい競争のため、最初に挙げたNTT
のようなことや、勧誘に関する問題・苦情も起こっている。私の家でも時々マイライン登録勧誘の為に営業担当の人が来たり、電話が掛かってくる事が
あるが、既に登録を済ませたのにも関わらず、そのマイライン登録した会社と同じ会社からの勧誘が何度かあった。これはとても不可思議な現象である。
 マイラインは勧誘の問題だけでなく、顧客確保の為の値下げによる収入の減少で電話会社側の経営にも影響していると聞く。その他にも、色々と複雑
でどの会社を選べばいいのか分からないとか、マイライン登録を行わないと自動的にNTTが選ばれるのも不公平だという意見など、マイラインに関する
問題は様々である。公平な競争が出来る環境づくりは、とても難しいものであると私は思う。



5月8日 第1回   喫煙について
 街中や駅のホーム、そして大学の構内などでは、喫煙場所以外での喫煙・歩き煙草をしている人を多く見かける。時々新聞の投書などでも主張されて
いるが、歩き煙草は近くを通った人が火傷を負う恐れがあり、それ以外にも流れて来る煙による不快感や健康に対する影響などが考えられる非常に危険
で迷惑な行為である。そして、全面終日禁煙を呼びかけている駅のホームのような、喫煙場所を設けていない場所での喫煙も、煙を避けにくいため、嫌
煙者にとってはやはり、迷惑な行為である。
 私が通っている大学の場合でも、駅〜大学間で歩き煙草をしている人を見かけない事は、今のところ一度もない。そして大学構内でも、喫煙をしてい
る人は至る所で目に付く。後ろにいるとほぼ確実に煙を浴びてしまう階段や、「禁煙」と書かれている講堂内、人の多く集まる掲示板前での喫煙なども
しばしば見かける。大学構内には、喫煙所も設けられてはいるが、単に灰皿と「喫煙所」の張り紙がしてあるだけであり、煙を分散させない為の仕切り
や換気をする為の装置などは設けられていない。しかも、その喫煙所の位置も階段や講堂のすぐそばにあり、嫌煙者・非喫煙者に対する配慮があるとは
考え難い。大学内での喫煙者に対する呼びかけは、「歩きながらの喫煙は非喫煙者の迷惑になるのでやめましょう」と書かれた張り紙だけであり、その
張り紙も、破れていたり落書きがされているものがあちらこちらに見られ、学内の環境を向上させる活動でも、一部の喫煙所を撤廃しただけであり、ど
ちらもあまり効果があがっているとは言い難い。
 喫煙は、がんの他にも脳血管疾患や歯周疾患などの様々な疾患を引き起こす危険性があり、健康に対する影響は非常に大きい。そして、未成年者の
喫煙も、疾患発生の恐れがより高まるため、これも大きな問題である。肺がんによる死者数も増加しており、社会全体での損失も金額にすると兆円単位
だといわれている。
 こうした現状を改善するには、やはり様々な努力は欠かせない。大学構内での場合は、出来れば学生・教授・職員全てを対象に、構内全面禁煙化を試
みて欲しいと思う。当然、構内の煙草自販機設置などはもってのほかである。これは未成年者もいる大学においては、未成年者の喫煙抑制にもつながる。
未成年者の喫煙防止も、学校の授業(保健など)において煙草の害についての教えを徹底したり、テレビで喫煙のシーンを極力流さないようにし、「喫煙=
カッコいい」などのイメージを作らせないことも重要だと思う。折角の煙草のテレビコマーシャル自粛も、番組内で喫煙シーンが流されていたら自粛の効果
が薄れてしまう。その他にも、法を制定したり、もっとマナー違反に対する注意をできるようにするなどの対策も考えられるが、やはり一番重要なのは喫煙
者自身の心構えである。「火のついた煙草は炎を持っているのと同様」「喫煙は自分だけでなく周りの人々にも影響がある」などの認識をきちんと持ち、
周りの事を全く考えない無責任な喫煙はやめてほしいものである。



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